そんなこと言われても……。

だけど、断るわけにもいかなかったあたしは、適当に冷蔵庫にあったハムやら卵を分けてあげた。


「ありがとう!
助かるよ。

実は明後日、あたし誕生日なんだよね。
十六歳になるの。

だから、友達と一緒にパーティーしよってなってて、でも料理どうしようか本当に困ってたんだ。

本当にありがとう。


あ、なんなら杏奈ちゃんもあたしの誕生日パーティー来る?」


「わ、私は……。

遠慮しておくよ。

翔と舞衣の面倒みないといけないし」


「そ?

じゃあね」


そう言って、美佳ちゃんはあっさり自分の家に帰っていった。


お騒がせな人。

親そっくり。