お弁当を食べ終えて、少し公園の中を三人で歩く。


少し歩いたところで、大きな石像が目に入る。

この石像は、世界から大人がいなくなった記念として、当時の十六歳の人達がつくったものだった。


男の子と女の子、そして小さな妖精の石像。

ピーターパンをイメージしてものらしい。


この子どもの世界の平和の象徴、とでもいうべきか。


「あれ?」


その石像を見て、舞衣が怪訝な顔をする。


「どうしたの?舞衣」

「あのね、あの石ぞう……。

女の子の手のところに、ヒビが入っているよ」

「ん?本当だ」