「そうだね。

私も、広汰おにいちゃんのことが、大好きだよ」



私が二人にそう言うと、二人はぱっと笑顔になった。



広汰おにいちゃんというのは、この世界を創りあげてくれた、私達の救世主だ。


今、この世界には“大人”は一人もいない。

みんな、子どもばかり。


私もまだ十五歳になったばかりだけれど、これでもかなり年上なほうだ。

一番年上の子どもで、十六歳。


みんな、この子どもだけの世界ができる前まで、大人達に苦しめられながら生きていた。

もちろん、私も。

たくさんの大人達の事情に振り回されていた。


そんなところを助けてくれたのが、広汰おにいちゃんだった。

広汰おにいちゃんが、大人達の鎖で縛られていた私達を、解放してくれた。

悪い大人達みんなをやっつけてくれた。


だから、みんな広汰おにいちゃんのことが大好きなのだ。