大人のいない世界

「実は、福也君や蓮君………そして、今まで消えた十六歳の子ども達は、隔離させているんだ」


「「“隔離”?」」


私とナナは、声を揃えた。


隔離って…………私達とは別の場所にいるってことだよね?

でも、なんのために?


「この世界は、大人はいない。

子どもにひどいことをする大人は、子どもとは一緒に生活してはいけないんだ。

だから、隔離したのさ」

「でも、蓮は……大人にひどい目に遭わされてきた子ども達は、私達を苦しめてきたようなひどい大人のようにはならない!」


ナナは、広汰おにいちゃんに反論をする。

そんなナナを、ギロリと鈴は睨みつける。


「こら、鈴。


…まあ、ナナの言い分もわかるよ。

確かに、みんな大人に苦しめられてきた。

だからこそ、そんな大人達とは違って、優しい大人に成長する場合もあるかもしれない。


けどね、そうとは限らないだろ?


子どもの頃、大人に苦しめられていたからこそ、その分の鬱憤を晴らすために、

かつての大人のように、自分の子どもを苦しめるような大人になってしまうかもしれない」