大人のいない世界

「なっ………!

なによ、アンタッ!

さっきからベラベラと偉そうに!何様のつもりなの!?

アンタみたいに誰彼構わず傷つけるような発言をするような人に、そんなこと言われる筋合いはないわ!」


ナナは、顔を真っ赤にして言う。

ど、どうしよう……。

喧嘩する二人の間に挟まれた私は、どうやってこの状況を解決させればいいのか、全くもってわからない。


鈴ちゃんを注意すれば、きつく論破されてしまいそうだし、

かといって、ナナを宥めようとしても、こんなに興奮しているナナの感情を抑えられる自信がない。


「前からあなたのことはうるさい子だとは思っていたのよ。

本当にね。

少しは大人しく静かになれないものなの?」

「アンタだって、昔からそうやってトゲのある言葉でみんなを傷つけて!

アンタの言葉で、何人の子が泣いてきたと思っているの!?」