そう言って、あたしは部屋の中に入った。


そこには、あたしのベッドの上で苦しそうな表情で寝ているナナがいた。

眉間に皺をつくりながら、


「許して、許して、許して………」


と、何度も“許して”を繰り返している。

まるで、さっき私が“ごめんなさい”と繰り返していたように。


「許して、許して、許して、許して、許して、許して、許して、許して…………」

「ナナ、どうしたの!?

ナナ、起きて!ナナ!」


あたしは、ナナの体を思い切り揺さ振る。

「許して、許し………」

「ナナ!」

「ゆる、し………。

ん、あれ………?杏奈?

どうしてここに?

そうだ、私杏奈の家に泊まりにきたんだっけ…………」