大人のいない世界







「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさ…い…………?」



いつの間にか、私は目を覚ましていた。

現実でも、私はずっと「ごめんなさい」を繰り返していた。



ソファで横たわる私。


なんで私、こんなところで寝ているんだっけ……。

ああ、そっか。

ナナが泊まりにきていて、ナナにあたしのベッドに寝るように言ったから、あたしはソファで寝ているんだ。


自己解決した私は、寝室へ行く。

そろそろ、ナナが起きていてもおかしくないと思ったからだ。


部屋の扉を、コンコンコンと三回ノックする。


「ナナ?」


返事はない。


「開けるよ」