大人のいない世界

「そんな、悪いよ」

「ううん、いいの。
私が、寝室まで行くのが面倒臭いだけだから…ふわあぁ~」


大きなあくびをすると、ナナが笑った。


「確かに、すごく眠そう。

わかった、そうさせてもらうね」


そう言って、ナナは寝室へ向かった。


よかった、笑ってくれて。
ナナの笑顔が見れたのは、さっきのが今日で初めてだ。


きっと、蓮君が戻ってきたら、ナナはもっと素敵な笑顔を見せるだろうな。


そんなことを考えながえていると、本格的に眠くなってきた。