「じゃあ、私も危険だ……。
私、来週誕生日なの。
十六歳に、なるの……」
「私もだよ……来月、十六になる……」
「怖い、怖いよ…杏奈。
私達、蓮や福也君のように消えてしまうの……?」
ナナは震えながら、私に抱き付いてきた。
昨日は、十六歳の人達が消えていくのは、ただの偶然だと思っていた。
こんな幸せな世界で、そんな奇怪なことが起こるわけがないと、信じていた。
だけど……福也君に続いて、蓮君まで消えてしまった。
これはもう、偶然とはいえない。
いや、大人が一人もいない時点で、偶然なんかじゃなかった。
それなのに、私が偶然だと思いこんでいたのは、この世界が、この大人のいない世界が、とても居心地がよかったからだ。
私、来週誕生日なの。
十六歳に、なるの……」
「私もだよ……来月、十六になる……」
「怖い、怖いよ…杏奈。
私達、蓮や福也君のように消えてしまうの……?」
ナナは震えながら、私に抱き付いてきた。
昨日は、十六歳の人達が消えていくのは、ただの偶然だと思っていた。
こんな幸せな世界で、そんな奇怪なことが起こるわけがないと、信じていた。
だけど……福也君に続いて、蓮君まで消えてしまった。
これはもう、偶然とはいえない。
いや、大人が一人もいない時点で、偶然なんかじゃなかった。
それなのに、私が偶然だと思いこんでいたのは、この世界が、この大人のいない世界が、とても居心地がよかったからだ。



