いつも通りの朝がやってくる。

大人達に縛られていたころとは違う、爽やかで自由な一日の始まりの朝。


「朝だよ、起きて」


私の隣で寝ている男の子と女の子の体を揺さ振る。


「ふあぁ~」


二人が、大きなあくびをしながら体を起こす。


「おはよう、杏奈(アンナ)おねえちゃん」

「おはよう、おねえちゃん」


「うん、おはよう。
翔(ショウ)と舞衣(マイ)も、昨日はよく眠れた?」


「うん。
とってもすてきなゆめを見たのよ」


舞衣が、目をキラキラと宝石のように輝かせながら言う。


「へえ、どんな夢を見たの?」