「最後に蓮君に会ったのは?」
「さっきも言ったけど、私が杏奈を家に呼んだ日……」
「そっか……。
残念だけど、私は蓮君がどこにいるのか、わからない……」
「だよね…ごめん。
でもこんなこと、杏奈か広汰おにいちゃんくらいにしか相談できなくて……」
ナナは、嗚咽を零す。
「広汰おにいちゃんにも、相談したの?」
「うん、さっき会ってきた………。
だけど、広汰おにいちゃんも知らないんだって………」
「そっか…」
もし、広汰おにいちゃんが蓮君のことについて何か知っていたのなら、福也君を捜しだす手掛かりになったかもしれないんだけど……。
私は、肩を落とした。
「あっ、そういえば………」