大人のいない世界

「そうだね………もうすぐ、れなも十六歳になるんだね」


そう言って、おねえちゃんは涙を流した。


私はおねえちゃんが泣いている意味が、よくわからなかった。



「どうしたの、おねえちゃん」

「ううん、なんでもないの……………。

誕生日プレゼントの話だったよね。


そうね、れなには楽しい世界に連れていってあげるよ」

「楽しい世界?

それってどんな世界なの?」


あたしは、ワクワクしながらおねえちゃんに聞く。

そして、おねえちゃんはこう答えた。


「誰に言っちゃダメよ。

それはね…………………。





____________大人の世界」






End