大人のいない世界

俺が安堵のため息を漏らした瞬間、広汰君の右手が俺の心臓を貫く。


「うぐっ………」


床に、血の水溜りができあがっていく。

その上に呆気なく俺は倒れる。


ああ、でもやっぱり……………。

最期に、杏奈に会いたかった…………な…………。



そんなことを考えながら、俺は深い眠りに就いた。