「えっと……とにかくおめでとう!

うん、おめでとう!あははは………。


ところで、父親の蓮君は?

さっきから見当たらないみたいだけれど」


キョロキョロと、私は周りを見渡した。
蓮君の姿は、どこにもない。


「ああ、蓮ならさっき出掛けた。

本当は二人で一緒に杏奈に報告しよって言っていたんだけど……なんか急ぎの用があったみたいで」

「急ぎの用?」

「そう。

誰かに呼ばれたから、行かなくちゃいけないんだって言っていた」

「誰かって誰?」

「さあ?」


ナナは、首を傾げた。