大人のいない世界

「ねえ、福也。

そろそろ、基地の場所も変えたほうがいいと思うの。

図書館は人の出入りが少ないほうとはいえ、そこそこ人は来るし……。

それに、いつこの場所が広汰にバレるか、わかったもんじゃないわ…………」


“迎えに行く”っていうことは、おそらく広汰君はこの図書館に来る可能性が高い。

確かに、場所を変える必要はあるな。


「そういえば、杏奈は?」


俺は、管理室を見渡しながら、鈴に聞いた。


「ああ…………。

あの二人が死んでからあの子ってば、すっごく落ち込んでいたから……、ちょっと公園のほうへ散歩に行かせてるわ。

あ、安心してね。

広汰は今日、昼頃は用事があるって言っていたから、公園のほうにはいないと思うわ」

「そっか………。

確かにそれなら安心………………。




なんて言うと思ったか?」