大人のいない世界

実君の体は、まるで春子ちゃんが死んだときのように真っ赤に染まっている。

そして、その手には同じく真っ赤に染まった包丁が………。


「嘘でしょ……………」


まさか………実君まで………………?



「起きろ、起きろよ!」

「もうやめなさいよ。

死んでるのよ、実君は」


実君に声を掛ける福也君に対し、鈴ちゃんが言う。


「死んでる…………の?」

「ええ。

机の上に、こんなものがあったわ」


私の質問にそう答えると、鈴ちゃんは私にあるものを渡した。



それは、実君の遺書だった。