大人のいない世界

「わかった………」


私は、そう言うしかなかった。

血まみれの春子ちゃんのようすを見ながらみんなが来るのを待つ。

しばらくして、息を切らしながら鈴ちゃんと福也君と実君がやってきた。


「春子のようすは?」

「それが……全然動かないの」


福也君の質問に、私は震えながら答える。


「し、死んでるってことか?」

「た、多分…………」


「………これは?」



福也君は、机の上にあったあるものを手にとって、私にたずねた。


「なに……それ?」