大人のいない世界

「なに言ってるの、杏奈。

そもそも、この世界は広汰君のお陰で、大人がいないんだよ。

大人がいないなら、私達が子どもが、子どもをつくっていくしかないじゃない。

そうしないと、人類が絶滅しちゃう」

「確かにそうだけれど……」

「そもそも、昔は十六で妊娠なんて当たり前。

十六で妊娠なんておかしいなんていう考えをつくったのは、大人達よ。

今の私達がそんな考えを気にする必要はない。

そうでしょ?」

「……」


ナナのもっともな意見に、私は返す言葉がなかった。

確かに、大人がいた世界では、子どもをつくるのは大人だということが当たり前だった。


「でも……大変じゃない?

産むときとか……どうするの?

大人がいないから、手伝ってくれるお医者さんなんていないんだよ?

一人で、大丈夫なの?」