大人のいない世界

鈴ちゃんは春子ちゃんを連れて、奥の部屋へ入っていった。


三人になった管理室。


「なにを、していたんだ…?」


改めて、福也君が実君に問い掛ける。


「……………あいつと話して、わかったんだ。

どうせ、お前達と一緒にいると、お前達と協力しなきゃならないんだって。

でも、俺達とお前達が力を合わせたって、世界中の子どもの力を合わせたって、

広汰君に適うはずがない。


だから、一緒にここから逃げ出そうって言ったんだ。

それなのに、あいつがいきなり意見を変えやがって、やっぱりここに一緒にいようだとか、

お前達の言ってることが正しいとか言い出しやがって……………」

「それで、暴力を振るったのか」


実君が静かに頷くと、広汰君はため息をついた。


「きちんと話し合いをできずに、力ずくで無理矢理自分の言いなりにしようとする………。

お前みたいな自分をコントロールすることができない奴が、たくさん現れるだろう。

だから、ちゃんと子どもを教育する大人が必要なんだよ……。

そのために、広汰君とこの狂った世界を正す必要があるんだ。

わかったか?」