大人のいない世界

「でも、俺達がどうにかしないと、十六歳になった人達はみんな殺されてしまうんだってば!!

お前達だって見ただろ?新太君が殺されるのを!!

あれを見て、何も思わなかったのか!?」


福也君がそう言うけれど、実君と春子ちゃんは自分の意見を曲げない。


どうしよう……みんなの気持ちがバラバラだ。

こんなのじゃ、絶対におにいちゃんを、この世界を正すなんてことはできない。


しばらくして、実君が大きなため息をつき、


「…………わかってる。

俺達しかいないんだから、俺達がどうにかしないといけないってことは。

でも、俺だってこいつと同じ意見で、広汰君のことにあまり深く関わりたくないんだ。

いつか広汰君に見つかって…新太みたいに無残に殺されるのかと思うと、もう…………」


と苦しそうに語る。