「誰か新太って人、知ってる奴いないか?」
福也君が、私達に問い掛ける。
私と春子ちゃんは首を横に振る。
「そっか…実君は?」
「新太って………確か、小学生のとき、ずっと学校休んでいたクラスメート…だったと思う」
実君が、少し自信なさ気に答える。
「本当か!?」
「ああ、多分……。
そいつも、十六歳になっているってことは、俺と同じ学年ってことだろ?
間違いないと思う」
「家はわかるか!?」
「いや……さすがに家までは………。
でも、小学校の校区内であいつの名字…堀本(ホリモト)っていうんだけど、その表札がかかってある家を虱潰しで探せば、見つかるかもしれない。
堀本って、そんなにたくさんある名前でもないし」