大人のいない世界

「大切な話があるの。

とりあえず、中に入れてもらえない?」


私がそう言うと、春子ちゃんは渋々私達を家の中へ入れてくれた。

春子ちゃんは、殺された美佳ちゃんのように一人で暮らしているはずなのに、美佳ちゃんとは違って家の中は随分清潔に保たれていた。

春子ちゃんの几帳面な性格がうかがえる。


「それで、話…って、なんです、か……」

「ああ、実は_______」


福也君が、実君のときと同じように春子ちゃんに説明する。


「そ、んな………広汰さんが、そんな……………。

嘘、嘘です………。


広汰さんが、そんなことするはず、ない、です………ありえません………。

何かの間違い、ではないでしょうか………??」

「この新聞記事を見ても、まだそんなことが言えるのか?」


福也君が、新聞を渡す。

すると、春子ちゃんは実君のときのように、驚いてその新聞に釘付けになる。