福也君は今までずっと、図書館の管理室で身を潜めていたらしい。
管理室はずっと鍵をかけて、外からは入れなくしていたという。
その日からは、私も福也君と一緒に、図書館の管理室で暮らすこととなった。
鈴ちゃんは毎日図書館に来るので、そのときに食事を私達のために持ってきてくれた。
鈴ちゃんは広汰おにいちゃんと一緒にいる時間が多いので、すぐに情報が入ってくる。
おにいちゃんが十六歳になった人達を殺すのは、大体週に一度の頻度。
なので、美佳ちゃんやナナが、いつ殺されるかも、すぐにわかったらしい。
しかし、二人とも助ける前に、おにいちゃんの手によって殺されてしまったのだ。
そのことで、福也君は申し訳なさそうに私に謝った。
「ごめんな……。
ナナは、杏奈の友達だったっていうのに、助けてやることができなくて………」
「ううん!
福也君は悪くないよ。
だって、福也君が見つかれば、福也君もおにいちゃんに殺されてしまうんだもん。
それに、福也君は私のことはちゃんと助けてくれたじゃない。
今度は私も仲間になったんだから、きっとたくさんの大人が仲間になってくれるよ!」
「ああ、そうだな」