小学六年生の、寒い冬の夜のことだった。


突然、お父さんとお母さんの部屋から、悲鳴が聞こえてきた。

何事かと思って、行ってみると、お父さんとお母さんは死んでいた。


お父さんとお母さんの亡骸の側には、男の子がいた。

私よりも三つくらい年上の、髪は少しクセがあって、無邪気な表情でお父さんとお母さんの頭をグリグリと踏みつけていた。


そんな光景を見て唖然としている私に、彼は言った。



「助けに、来たよ」



差し伸べられた彼の手ひらに、私は黙って自分の手を重ねたのだった_______