大人のいない世界

「えっと………」

「えっ、もしかして、俺のこと忘れた?

俺だよ、俺」


彼は自分の顔を指して、私にアピールする。


「もしかして………。

福也君!?」

「そうだよ」


そう、私を助けてくれたのは、一年前に失踪した福也君だったのだ。


「てっきり、ナナや蓮君みたいにおにいちゃんに殺されたのかと思った………」

「おいおい、勝手に殺すなよ。

命の恩人に対して、失礼だなあ」

「ご、ごめんっ……」


だけど、本当に福也君が生きているなんて…なんだか夢みたいだ。

一年ぶりに会う福也君は、少し大人っぽくなっていて………………。


「うっ………うぅぅっ………」

「おいおい、泣くなよ」