大人のいない世界

そう思ったときだった。


「何してる、こっちだ!」


という声が突然聞こえてきて、暗闇からいきなり手が現れ、私の腕を掴み、そのまま私を引っ張った。

わけがわからないまま、私は引っ張られるがまま、走る。


しばらくして、おにいちゃんの気配はなくなった。

きっと、まだ私のことを捜しているけれど、とりあえず今のところは大丈夫そうだ。


「あ、あの……。

ありがとう、ございました………」


私は、目の前の人にお礼を言う。

すると、その人は………。


「く、あはははははは。

敬語かよ」


と笑った。


なぜ、彼が笑ったのかよくわからない私。