大人のいない世界

私が大きな声で叫んだので、横たわる大人の肉を啄ばんでいたカラス達が、一斉に空へ逃げていく。


「まさか、本当に大人の世界があるとでも思ったの?」



おにいちゃんが、呟く。




「大人なんて、最低な生き物だ。

僕も、みんなのように……ずっとずっと、大人に振り回されながら生きてきた。

大人は、子どもにたくさん酷いことをする。


大人は、この世にいちゃいけないんだ。


みんな、殺さなくちゃいけないんだ」



「そんな………」



山のように詰まれた骨と死体。

その中に、私は見覚えのあるものを見つけた。