大人のいない世界

「どうして、そんなことを聞くんだ?」


こちらを振り向かずに、おにいちゃんが私に聞き返す。

どうして、すぐに質問に答えてくれないんだろう。

自分の年齢くらい、即答できるはずなのに…と思ったが、私はおにいちゃんの質問に答えることにした。


「だって、おにいちゃんは私が十二歳のときは、大人が消えた日は、私より年上だったよね?

それなのに、なんで私やナナ、美佳ちゃんのほうが先に大人の世界へ行くの?

本当なら、おにいちゃんのほうが先に大人の世界へ行くはず。


だから、おにいちゃんが何歳なのか、気になったの」


おにいちゃんは、黙ったまま足を動かす。


「今度は、おにいちゃんが答える番だよ。

もう一度聞くよ。












おにいちゃんは、何歳なの?」