大人のいない世界

広汰おにいちゃんの眉が、少し動く。


「それから、また寝て……起きたら今度は…」

「今度は?」

「笑い声が、聞こえてきたの…。

なんだろうって思って、行ってみたらね……翔と舞衣が、家にある食べ物全部を使って、むちゃくちゃな、料理とも言えないようなものをつくっていたの。

しかも、頼んでいたお皿とかの洗い物もしてなくて………。


さすがにキレちゃってさ……追い出したの」

「……」


広汰おにいちゃんは、黙って私の顔を見ている。


「最低だよね、こんなの。

二人は悪くない。

なのに、私は二人を追い出してしまった………。

せめて、謝りたくて…できれば、また一緒に生活がしたくて、二人を捜しているんだけど…。

なかなか見つからなくて」