大人のいない世界

「翔……舞衣ぃ………っ、うっ、うっ……」


いない。

どこにも、いない。

どうして。

どうして、どこにもいないの。


「うぅ、うっ、あああっ、ああああああっ……………」


気付けば、私は森にいた。


あの夜の日に、ナナを追いかけてやってきた、あの森に…………。


こんなところに、翔も舞衣もいるはずないのに。

どうして、来てしまったんだろう。


森の中は木しかなくて、自分がどうやって入ってきたかもわからないし、今自分が森のどこあたりにいるのかもわからない。