ちょっと反応しただけでまた嫌味を言われ、私は少しうんざりする。


「十六歳……になるのよね」

「うん」

「気をつけたほうがいいわよ」

「え?」


気をつける、って?


「何でそんなこと言うの?

今日の鈴ちゃん、ちょっと変だよ」


いつも変だけど…今日は一段と変だ。


「変とは何よ。失礼ね。

………でもまあ、いつもと違うことは確かよ。

私だって、本当はアンタの心配なんてしたくないのだけれど…。

でも、あの子がどうしてもって言うから……」


少し切なげな表情で、鈴ちゃんがぽそっと呟いた。

「あの子、って?」


私がたずねる。

すると、鈴ちゃんはいつものようにそっぽを向いて、


「さあ、なんのことかしら。

アンタの聞き間違いじゃないの」


と、嫌味を言ったのだった。