目が覚めると、かたい床の感触。


「いてて………」


せめて、もっとやわらかいところで寝るべきだったかな…と、ちょっと後悔。


「ようやく起きたようね。

もう九時よ」


昨日座っていたところと同じ席にいる鈴ちゃんが、分厚い本を読みながら私に言う。


もう九時って……いつもはお昼近くに起きていたから、私としては早いほうなんだけどな。


「お、おはよう」


ぎこちなく、私は鈴ちゃんに挨拶をする。

しかし、鈴ちゃんは挨拶を返してはくれない。

…まあ、予想はしていたけど。