大人のいない世界

私は、翔と舞衣の服の襟を掴む。


「やだ、やだ、やだ、やだ、やだ!!」

「ゆるして、ゆるして。

おねえちゃん、ゆるして!ゆるしてください!

ぼくが、ぼくたちがわるかったです!だから、ゆるしてください!ゆるしてええ!!」


「黙れ、黙れ、黙れ!!!!!」


じたばたと暴れ回る二人。

そのせいで襟を掴んだ手が、離れる。

二人は部屋の隅に逃げる。


「ごめんなさい、ごめんなさい」

「ゆるして、ゆるして」


「知らない、許さない」


翔よりも舞衣のほうが泣く分、あまり暴れないだろうと思った私は、舞衣の腕を強く握った。


「やだ、やだあ!!」

「やめて、おねえちゃん。

舞衣を連れてかないで!」