大人のいない世界

「ごめん………ちょっと無理。

私、すっごい疲れているの…………昨日も眠ってなくて………。

もうちょっと寝かせて………」


私はそう言ってまた目を閉じようとするが、


「ねーなーいーで!」

「ごーはーんー!」


と、翔と舞衣が私の体を揺さ振り、なかなか寝かせてくれない。


「あのね、私本当に疲れているの。

だから、ご飯は自分達でどうにかして……」

「むり!まい、ごはんなんてつくったことないもん!」

「ごはんつくるのは、おねえちゃんのしごとだろ。

おねえちゃん、早くぼくたちのごはんつくってよ!」


なかなか譲ってくれない二人。