大人のいない世界

ガサッ、ガサッ。


物音が近くなる。


ガサッ、ガサッ…ガサ。


多分…………ここだ。

ここに、誰かいる。



「だ、れ…………………?」



ガサガサと動く影に、私は話しかけた。


「杏奈?」


嘘……。

私の名前を知っている!?

誰!?


影が、徐々に私に近づいてくる。

逆に、私は後退りをする。


「杏奈…僕だって。

広汰だよ」

「ひっ、広汰おにいちゃん!?


どうして、広汰おにいちゃんがここに…………?」

「どうしてはこっちの台詞だよ。

なんでここにいるんだ、杏奈」