大人のいない世界

少し目を開けて、隣で眠るナナの横顔を見る。

ナナはもう、気持ち良さそうにすやすやと寝息を立てている。


私も、もう寝ないと。


そう思ってまた瞼を閉じたけど、やっぱり眠れない。


それから、三十分くらい経ったころ。


ペタ・・・ペタ・・・という足音のようなものが、廊下から聞こえてきたのだ。

この家にいるのは、私とナナと翔と舞衣だけだ。

私は違うし、ナナも今私の隣で寝ているから違う。

じゃあ、翔か舞衣?

トイレで目が覚めたかな?

そう思ったけれど、足音は明らかにトイレの方向には向かっていない。


ペタ・・・ペタ・・・・・・。


何かをさがしているように、足音はあちこちへ移動する。

ペタ・・・ペタ・・・・・・ペタ・・・。

なに・・・なんなの・・・。


私は、足音の主に気付かれないよう、息を止め、目を固く閉じた。