大人のいない世界

小学生のころの思い出話とか、

蓮君の話とか、

翔と舞衣のこととか、

広汰おにいちゃんのこととか…………。


「そういえば私ずっと思っていたんだけどさ………」


ナナが口を開く。


「ん?」

「広汰おにいちゃんって、私達と会ったときから、全然見た目変わらないよね……。

おにいちゃんって、何歳なんだろう……」

「それ、私もずっと思ってた……」


世界が子どもだけになった日。

大人がみんないなくなった日。

あの日、私達は小学六年生で、おにいちゃんは確か今の私達と同じくらいの年だったと思う。


私達は成長して、ナナは十六歳。私ももうすぐ十六歳。


それなのに、広汰おにいちゃんはずっと同じ見た目。


そもそも、おにいちゃんは一人で世界から大人全員を消した。

普通ならありえない。