その日の夜。
「こうやって、杏奈と一緒に寝るのは今日でもう最後かもしれないね」
ベッドの上で髪を梳かしながら、ナナが言う。
「そんな、寂しいこと言わないでよ」
でも、広汰おにいちゃんがもうすぐ蓮君に会えるって言っていたから……本当にこれが最後かもしれない。
最後、といっても子どもの世界で最後…ってだけだけど。
「だから、今日はめいいっぱい夜更かししよう!」
「うん!」
ナナの提案に、私は大きく頷いた。
私達はその夜、たくさん話した。
これまでもナナとはたくさん話していたけれど………今までと比べ物にならないくらい、たくさん話した。