大人のいない世界

私達がそう言うと、おにいちゃんはふっと笑顔に戻った。


「正直に言ってくれてありがとう。

二人にバレてしまったものはしょうがない。

僕が、なんとかするよ。

でも、これからは気をつけるんだぞ」


そう言って、広汰おにいちゃんは私とナナの頭の上にポンと手を置いた。


「うん、わかった」

「わかった、今度こそちゃんと約束守る」


私達は、頷いた。


「じゃあ、帰ろうか」


広汰おにいちゃんがそう言ってビルから去ろうとした。


「あ、待って!」


私は、咄嗟に広汰おにいちゃんの服の袖を引っ張り、おにいちゃんをとめた。


「わっ、どうしたんだ杏奈」