大人のいない世界

私はキッチンへ行き、朝ご飯をつくることにした。

ナナの家に来てからというものの、ずっと料理はナナに任せきりだったから、今日くらいは私がしないとね。


しばらくして、ナナが寝室からやってきた。


「おはよう、杏奈。

あれ、朝ご飯つくってるの?

起こしてくれたら、私も手伝ったのに」

「いいって。

だって、ここ最近ずっとナナに任せっぱなしだったし、昨日もプレゼント用意できなかったし、これくらいさせてよ」

「そっか。

でも、プレゼントはあとでちゃんと用意してね。

できれば、私が大人の世界へ連れていかれる前に、ね」


冗談っぽくナナがそんなことを言ったので、私は思わず笑ってしまった。