大人のいない世界

そう言うと、ナナがこちらを振り向いた。

同じようにして、翔と舞衣も。


「やっと、わかってくれたんだ」


ナナは、そう言って笑った。


「杏奈ってば、ずっと意地張っていたから……。

でも、ようやくわかってくれてよかった」

「うん………。

ごめんね、本当に」

「いいんだって。

そうだ。

ケーキ、杏奈の分もちゃんととっておいてあるよ。

一緒に、パーティーしよ」

「…うん!」


「杏奈おねえちゃん、おかえりなさい」

「おかえりー」


翔と舞衣が、いつもと変わらない笑顔で私に言ってくれる。


「ただいま」


私は、ナナからケーキを受け取り、二人にそう言った。