「私、奏人のことを今でも好きだし、この先も嫌いになれない。でも何もかも無かったことにして受け入れられないから苦しいし、嫌なことばかり言う自分自身が嫌になるの」
そう訴えると、奏人の身体がビクリと反応したのが伝って来た。
その直後、私を抱きしめる腕の力が強くなる。
「理沙は何も悪くないから自分が悪いなんて思うな」
「でも……」
「俺だって何もかも無かったことにして受け入れて貰おうとは思ってない。時間がかかるのは分かってるから何時までも待つつもりだ」
奏人の低く心地よい声が、耳の側で聞こえる。
「でも、奏人だって辛いでしょう? さっきだって怒ってたし」
「確かに理沙とのやり取りでイライラすることは有るけど、それはこんな状況にした自分自身への苛立ちで理沙を責めてる訳じゃない」
「……私、自分がどうしたいのか分からない」
奏人から離れたいのか、側にいたいのかさえも。
「苦しめてごめん。だけど俺は理沙を諦めないから」
その言葉と共に、強く抱かれる。
付き合っている頃、大好きだった優しい奏人の腕の中。
今はちょっと強引で息苦しいくらいだけど。
私は今の心のあるがまま奏人の背中に腕を回す。
ただの同僚にこんなことはしない。
だけど、もう少しこの腕の中に包まれていたかった。
そう訴えると、奏人の身体がビクリと反応したのが伝って来た。
その直後、私を抱きしめる腕の力が強くなる。
「理沙は何も悪くないから自分が悪いなんて思うな」
「でも……」
「俺だって何もかも無かったことにして受け入れて貰おうとは思ってない。時間がかかるのは分かってるから何時までも待つつもりだ」
奏人の低く心地よい声が、耳の側で聞こえる。
「でも、奏人だって辛いでしょう? さっきだって怒ってたし」
「確かに理沙とのやり取りでイライラすることは有るけど、それはこんな状況にした自分自身への苛立ちで理沙を責めてる訳じゃない」
「……私、自分がどうしたいのか分からない」
奏人から離れたいのか、側にいたいのかさえも。
「苦しめてごめん。だけど俺は理沙を諦めないから」
その言葉と共に、強く抱かれる。
付き合っている頃、大好きだった優しい奏人の腕の中。
今はちょっと強引で息苦しいくらいだけど。
私は今の心のあるがまま奏人の背中に腕を回す。
ただの同僚にこんなことはしない。
だけど、もう少しこの腕の中に包まれていたかった。

