「理沙がそんな風に謝る必要はないから」
優しい声。それなのに私は悲しくなる。
「……私、すごく性格悪くなったよね。いつも嫌味ばっかり言うし、奏人だって本当はうんざりしてるんでしょ?」
「うんざりなんてしてない。理沙がときどき攻撃的になるのは全部俺のせいだ。以前の理沙は人にきつい事を言ったりはしなかった。俺が酷いことをしたせいで今は少し不安定になってるだけだって分かってるから」
奏人は穏やかに言うと、私の頭を宥めるように撫でる。
それがとても心地よく感じて、だからこそ辛くなって思わず涙が零れてしまう。
こんなに私の気持ちを察してくれるのに、どうしてもっと早く本当の事を話してくれなかったんだろう。
一年も嘘を吐いていたんだろう。
私が嘘が嫌いだって知っていたはずなのに……。
ときどきどうしようもなく奏人を責めたくなるのは、私がどれ程傷付いたか伝えたいからだ。
いまだに怒りが込み上げて来るのは、奏人が好きだからだ。
やっぱり私は奏人と同僚にも友人にもなれない。
だって私は彼の前では冷静でいられない。
どんなに取り繕っても感情を隠すことが出来ない。
許せないと虚勢を張って拒絶するのにも、もう疲れてしまった。
優しい声。それなのに私は悲しくなる。
「……私、すごく性格悪くなったよね。いつも嫌味ばっかり言うし、奏人だって本当はうんざりしてるんでしょ?」
「うんざりなんてしてない。理沙がときどき攻撃的になるのは全部俺のせいだ。以前の理沙は人にきつい事を言ったりはしなかった。俺が酷いことをしたせいで今は少し不安定になってるだけだって分かってるから」
奏人は穏やかに言うと、私の頭を宥めるように撫でる。
それがとても心地よく感じて、だからこそ辛くなって思わず涙が零れてしまう。
こんなに私の気持ちを察してくれるのに、どうしてもっと早く本当の事を話してくれなかったんだろう。
一年も嘘を吐いていたんだろう。
私が嘘が嫌いだって知っていたはずなのに……。
ときどきどうしようもなく奏人を責めたくなるのは、私がどれ程傷付いたか伝えたいからだ。
いまだに怒りが込み上げて来るのは、奏人が好きだからだ。
やっぱり私は奏人と同僚にも友人にもなれない。
だって私は彼の前では冷静でいられない。
どんなに取り繕っても感情を隠すことが出来ない。
許せないと虚勢を張って拒絶するのにも、もう疲れてしまった。

