「社長に報告して頂いて構いません。それで処分があるなら受け入れますが、中瀬さんには関係のないことです。彼女は巻き込まれた被害者ですから」
奏人……私のこと庇ってくれてるんだ。
こんな時なのに、私、ホッとしてしまっている。
だけどその思いも、ヒステリックな叫び声でくだかれた。
「ねえ、さっきからどうでいい話ばかりしないで! 私は奏人と話したいの!」
朝美さんはそう叫ぶと乱暴に立ち上がり、ヒールを鳴らして奏人の前に近付いて来る。
その表情は鬼気迫っていて、まるでホラー映画のよう。
そんな状況なのに奏人は果敢に立ち上がり、朝美さんと真っ向から対決する姿勢をとった。
「奏人! どうして私からの連絡を拒否していたの? 大事な話があるのに!」
「最後に会ったとき、今後は一切の連絡を取らない。どこかで偶然見かけても関わらないと約束したはずだ。付きまといが酷ければ法的手段も考えると言ったよな?」
奏人は、私が聞いたことも無いような厳しい声で言う。
その取り付く島も無い様子に、朝美さんも怯んだようだ。
「や、約束って言っても、強引にさせたんじゃない! でも私はその一方的な約束を守ってたわ。その子とふたりでいる時は話しかけるのを我慢した。でも何度電話しても出てくれないし、折り返しもくれないからもう会社に押しかけるしか方法が無かったのよ、仕方無いでしょう?」
奏人を攻めながらも、その声は先ほど前のものより、勢いを失っている。
「それならなぜ、今日になって関係ない彼女に絡んだ?」
奏人は一瞬私に目を向けてから、再び朝美さんを追及する。
奏人……私のこと庇ってくれてるんだ。
こんな時なのに、私、ホッとしてしまっている。
だけどその思いも、ヒステリックな叫び声でくだかれた。
「ねえ、さっきからどうでいい話ばかりしないで! 私は奏人と話したいの!」
朝美さんはそう叫ぶと乱暴に立ち上がり、ヒールを鳴らして奏人の前に近付いて来る。
その表情は鬼気迫っていて、まるでホラー映画のよう。
そんな状況なのに奏人は果敢に立ち上がり、朝美さんと真っ向から対決する姿勢をとった。
「奏人! どうして私からの連絡を拒否していたの? 大事な話があるのに!」
「最後に会ったとき、今後は一切の連絡を取らない。どこかで偶然見かけても関わらないと約束したはずだ。付きまといが酷ければ法的手段も考えると言ったよな?」
奏人は、私が聞いたことも無いような厳しい声で言う。
その取り付く島も無い様子に、朝美さんも怯んだようだ。
「や、約束って言っても、強引にさせたんじゃない! でも私はその一方的な約束を守ってたわ。その子とふたりでいる時は話しかけるのを我慢した。でも何度電話しても出てくれないし、折り返しもくれないからもう会社に押しかけるしか方法が無かったのよ、仕方無いでしょう?」
奏人を攻めながらも、その声は先ほど前のものより、勢いを失っている。
「それならなぜ、今日になって関係ない彼女に絡んだ?」
奏人は一瞬私に目を向けてから、再び朝美さんを追及する。

