別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~

それからは目まぐるしく日々を過ごした。

平日は一時間くらい残業をしてから真っ直ぐアパートの部屋に帰り、引越しの準備。

休日は奏人とふたりで、新居で使う家具や家電を見に行った。

私はお互いが持っている家電を使えばいいと言ったんだけど、奏人がせっかくの新生活だから新しく揃えたいといい、最新式の家電や、おしゃれなソファーなどを見て周り、どれを買うかふたりで話し有う。

忙しくも楽しい時間だった。


奏人は自分の引越し準備もあるはずなのに、自分の家に帰らず私の部屋で過ごすことが増えていた。

仕事が忙しく来れないときも、まめに連絡を入れてくる。

そのことを、引越しの報告の為に飲みに誘った梓に言うと、「溺愛されてるね」なんて散々からかわれて困ってしまった。

でも、悪い気はしない。

私をひとしきりからかうと、梓は感慨深そうに言った。