「そんなに奏人のことが好きなの? でも奏人はもう何とも思ってないんだよね?」
「俺は理沙以外興味ない。朝美の方も俺に執着しているのは、恋愛感情なんかじゃなく、俺の地位が目当てだ」
「地位?……もしかして次期社長候補だから?」
「そう。朝美と付き合っていた頃に社長との養子縁組を進めていたんだ。彼女には詳しい事は話してなかったけど、スマホを盗み見されて知られたんだ。それから彼女は豹変した。割と穏やかだった性格はヒステリックになった。強引に結婚を進めようとしたり、高価なものを買わせようとしたりもした。実家の仕事に未練を残す俺に苛立っていたようで、無駄な仕事は早く辞めろと喚いたりもしたな。そんな事があって、少し揉めて別れたんだ」
「それは……強烈だね」
奏人が別れを決意するのも分かる。
でも朝美さんは、未来の社長夫人への夢を諦め切れなかったって言うこと?
だから、別れた後も何かと付き纏っていた?
そう考えた時、ハッとした。
「……もしかして奏人が初め私の事を警戒していたのって、朝美さんのことが原因? 」
「それが大きい。少し人間不信と言うか、女性不信気味になってたから」
「そっか」
朝美さんの事で疲れていた時に、玉の輿狙いと思われる私が接近して来たから警戒してしまったのか。
奏人の過剰と言えた警戒の態勢が疑問だったけど、漸く納得出来た気がする。
「部長から理沙のことを玉の輿狙いって聞いて正直警戒した。けど、理沙に話しかけられたとき、警戒しながらも、もっと話したいと思ったんだ。しばらくして理沙は朝美と違うと分ったけど、本当の事を言って関係が崩れるのが恐かった」
「俺は理沙以外興味ない。朝美の方も俺に執着しているのは、恋愛感情なんかじゃなく、俺の地位が目当てだ」
「地位?……もしかして次期社長候補だから?」
「そう。朝美と付き合っていた頃に社長との養子縁組を進めていたんだ。彼女には詳しい事は話してなかったけど、スマホを盗み見されて知られたんだ。それから彼女は豹変した。割と穏やかだった性格はヒステリックになった。強引に結婚を進めようとしたり、高価なものを買わせようとしたりもした。実家の仕事に未練を残す俺に苛立っていたようで、無駄な仕事は早く辞めろと喚いたりもしたな。そんな事があって、少し揉めて別れたんだ」
「それは……強烈だね」
奏人が別れを決意するのも分かる。
でも朝美さんは、未来の社長夫人への夢を諦め切れなかったって言うこと?
だから、別れた後も何かと付き纏っていた?
そう考えた時、ハッとした。
「……もしかして奏人が初め私の事を警戒していたのって、朝美さんのことが原因? 」
「それが大きい。少し人間不信と言うか、女性不信気味になってたから」
「そっか」
朝美さんの事で疲れていた時に、玉の輿狙いと思われる私が接近して来たから警戒してしまったのか。
奏人の過剰と言えた警戒の態勢が疑問だったけど、漸く納得出来た気がする。
「部長から理沙のことを玉の輿狙いって聞いて正直警戒した。けど、理沙に話しかけられたとき、警戒しながらも、もっと話したいと思ったんだ。しばらくして理沙は朝美と違うと分ったけど、本当の事を言って関係が崩れるのが恐かった」

