[璃莉葉side]


「ねぇぎゅー、して?」



甘えた声を出すと男の子はみんな応えてくれる。

あたしはクラスも名前も知らない男の子の腕の中に包まれた。


んー、やっぱり誰かに抱きしめられるのって、すっごく落ち着く。


桜妃学園に入学して1週間。

あたしは今空き教室で絶賛サボり中。



「璃莉葉ちゃん…」

「なぁに?」

「俺と付き合って欲しい…」

「……」



またかぁ…


あたしは心の中で小さくため息をつく。



「ごめんね、あたしあなたのこと好きじゃないから付き合えない」



あたし間違ったこと言ってないよね?

好きじゃない相手とは付き合っちゃいけないよね?