「あたし!利夏くんのことが好…キャッ!?」
あと少しのところで後ろからの衝撃で屈んだ利夏くんの首元に顔面からダイブ。
「あ、すんませーん!」
「お前ちゃんと前向いて歩けよなー」
どうやら後ろから歩いてきた男の子たちがぶつかったみたい。
それにしても…
利夏くんは首に香水つけるのかな…
首元は特に利夏くんの匂いが強い。
あたし、利夏くんの匂い好きだなぁ…
「…いった……」
「ッ、ごめっ!!!」
あたしってばいつまでくっついてるのバカバカバカ!!!!!
「ごめんね、痛かったよね、ほんとごめ…!?」
「や、大丈夫…璃莉葉ちゃんは平気?」
「あ、うん、あたしは全然平気!だけど、利夏くん…あの、ほんとにごめんなさいッ!!」
「そんな謝んなくてもいいよ、ちょっとびっくりしただけだし」
「ちがっ、そうじゃなくて…」
「どうかした?なんか顔真っ赤だけど…」
「あ、あの、首にッごめ、つ、ついちゃった…」
利夏くんの首にはあたしがぶつかったことでついたキスマークが…!
「い、今!拭くから!!」
「……あぁ、そうゆうこと」
利夏くんはグロスが薄れたあたしの唇を見て察したみたい。
「ごめんね…」
あたしは鞄からティッシュを取り、ついてしまったグロスを拭おうとするけど…
「え…?」
利夏くんにその手を掴まれてしまった。
「いいよ、どうせそんな目立たないでしょ…それよりさ、こっち直した方がいいよ」
そう言って利夏くんの指があたしの唇をなぞる。
「…擦れてる」
カァッと真っ赤だった顔が更に熱を持つ。
やだ、恥ずかしい…
あたし今、利夏くんに触れられてる…
唇をなぞっていた指はだんだん下がっていき、顎をクイッ。
そして利夏くんの顔がだんだんと近づいてくる。
あれ…
これ、この流れ、知ってる…
これは…
キス……!!?!
「だ、だめなのッ!!!」
両手で自分の口を覆う。
利夏くんのこと、好きだけど!
大好きだけどっ!!
みんなの王子の利夏くんとはこうゆうことできないよ…!
「……はぁ」
利夏くんは溜息を吐いてジトッとあたしを見て…
「…むかつく」
ちゅっ
「ッ!?!?!?!?」
なんと、口を覆った手の甲に軽くキスをした。
幸運なことに賑わったこの場所であたしたちに目を留める人はいなかった。
「俺のこと大好きって顔してるのになんで拒むの」
「…好きだから……本気で好きだから!みんなの王子じゃ嫌なの!!あたしだけの王子様になってほしいの!!!利夏くんの特別になりたいの!!」
あぁ、こんな告白するつもりじゃなかったのに…
「…俺、誰とも付き合う気ないって知ってるよね?」
「そんなの、今だけでこれから変わるかもしれない…」
「変わらないよ」
「…変わるよ……あたしが変える…!!」
「へぇ…」
「あたし、諦めないから!!!」
「諦めて"みんなの王子"と遊んだ方が都合いいと思うけど?」
「嫌。あたし、絶対利夏くんにあたしだけの王子様になってもらうから!」
「…どこにそんな自信があんの」
「だってあたし学園1可愛いもん」
「あー、自覚あったんだ…」
「それに…」
これはたったさっき気づいたことだけど…
確証はまだできないけど…
「利夏くんだってあたしのこと好きって顔してるから」
「はぁ?」
「そうゆう訳だから!明日から覚悟しててよね!!本気で利夏くんのこと落としにいくんだから!!!」

