眉間にしわを寄せながら歩く。 左手に持った携帯電話。 視線を集めるのは焼けているから? ああ、こんな服で歩いてるからか。 普通の服で海には来ないもんね。 「お、帰ってきた」 「すいませんでした、心配させて」 一礼してからござに座る。 優しい磯の匂いが辺りに漂う。 「何しに行ったの?もう始めるよ」 「あ、大丈夫です」 携帯電話のことを思い出して ふと親父さんに渡そうとする。 けどもう一度視線を落とすと 私はあることに気付いてしまった。