『いらっしゃいま…せ。』

「紅!」

息切れしながら、入ってきたのは永久と蒼空くん。

瀬高さん達が帰った一時間過ぎた後位かな。

『お久しぶりです。何になさいますか?』

笑顔を張り付け、普通のお客さんとして接する。

それがいいと思ったのよ。

「紅ちゃん、話しさせて?」

蒼空くんが永久の後ろから、悲しそうに言ってくる。

「必要ないです。興味ありません。」

きっぱりと拒絶する。

「永久くん、どーしじゃなかったの?ずっと来てくれなかったし、ボク、昨日も悲しかったよ。」

「七世…。」

七くんの泣きそうな顔をみて、永久と蒼空くんは辛そうな顔をするけれど。

私、バカだ。

永久を近づけて、傷つく七くんのことを考えてなかった。

私の宝物は七くんなのに。

私のことで傷つけてどうするの…。

「七くん、ちょっと理々と理々のパパとおつかい行ってきてくれない?お菓子も買ってもらいなさい。」

のの姉ががっくんに目配せして、子供二人を連れ出してくれた。